あなたの正しさ、私の正しさ、そして苦しみ

今回の戦争において、自分たちの立場や正当性もまた相対的なものであるということに無自覚だったり、目を逸らしている人が多くみられたのが、自分にとってはほんとうに嫌な話であった。

また、武力行使は確かにクリティカルな災厄だが、それだけが災厄であると言わんばかりの態度や、それを起こしたものだけが悪いという態度は人間性を欠いていて非常に醜いし苛立たせられる。そういう意味で、今回の戦争は身近な人間の俗で嫌な側面もまたみせつけてきたなと思うし、苦しい。

だが、例えば法は非人間的な装置ではなく、現実世界において実際的な解を導出するための運用物だし、そもそも人間の善悪に実際的に立ち向かうというのはそういう話なのだというのもわかる。

要するに、これは私個人にとっての苦しみの話なんだろうと思う。

私個人にとって、「あなたは正しい顔をしているが、それはあなたを取り巻く社会とあなたの立場によるようなものでしょう」という類の話はとてつもなく地雷だ。だから、今回の人々の反応は、正直言って、とても苦い。引き裂かれるほどに苦しい。

私はASDだから、「血の通った」人間が出す(私にだけ冷たい)「あたたかい」思考が本当に苦しい。

正しさが「神様」ではなく人間によって決まると言う事実、ただそれだけの苦しさがずっとずっと心の中にあって、ほとんど生まれてから長い間ずっと、安心して生きていることができない。